ちびこといっしょ

二歳差・保育園卒・小学生のちび兄弟。育児と仕事と日常の話。ゴマアレルギーも。

小野寺先生

きっかけは、ただ、一番近い駅にある小児科だった
ってことなんだけど。

*****

長男は、しょっちゅう病気にかかる赤ちゃんでした。

新米母だった私は、夜中、苦しそうにしている
赤ちゃんを一晩中抱っこして、
ほとんど眠らず過ごしたものです。

眠っている間に、もし死んじゃったら
どうしようって、心配で心配でたまらなかった。

そんな次の朝は、私はきまって小野寺医院にかけこんで、
一晩中、赤ちゃんがどんなに苦しそうだったか訴えました。

小野寺先生は、
「食欲がなくて心配なんです」っていう私の言葉を
鼻で笑って、ぷくぷくのお腹を指差し
「この子は3日食べなくても死にません。蓄えがあるから。
 ポカリスエットでも飲ませときなさい。」
なんて、よく言ってました。

私はその言い草に、軽く腹を立てながら
つられて笑って、心から安心して帰ったものです。

*****

それなのに。

長男が、一週間の風邪症状の後、5日熱が続いたときは、
「これはおかしい、これはおかしい」
とつぶやきながら、紹介状を書いて
「今すぐ大きい病院に行ってきなさい」
と、先生は言いました。

タクシーで大病院に向かい、込む中を半日待って受けた診断は、
入院ぎりぎりの肺炎。

へとへとで家に帰ったとき
看護婦さんを通じて、どうでした?と電話をいただいて
泣きそうになったのを覚えています。

*****

ちょっと口が悪くて、冷たそうで、でも実はとっても温かで
大好きだった、小野寺先生。

私は子供の病気を治してもらうためではなく、
私の不安と緊張を解いて欲しくて病院に通っていたんだと思います。

そんな小野寺先生も、
ご高齢で、ときどき薬の処方が抜けたり、
しばしば病院をお休みする期間が長くなり、
とうとう病院は閉じてしまわれました。

*****

もし、道端であったら、
うちの子はこんなに丈夫に大きくなりましたよって
お伝えしたいなって思いながら、もう4年。

そんなチャンスには巡り合えなかったけど、
今では、次男の鼻ちょうちんに笑って、
写真を撮りたいなって思えるくらい図太い母になれました。

小児科医として、というより
新米母を見守り育てて下さった先生として、
たとえ名前を忘れてしまっても
私が一生忘れることのない人、なんでしょう。

そんな先生に出会うことができた私は
本当に幸せ者だったんだなぁって、今でも思うんです。

♪ こちらもどうぞ ♪

誕生日 あなたが私の元に生まれてきてくれた奇跡を 私はとても嬉しく思う 私はあなたに愛をちゃんと伝えられているかしら あなたが愛されている存在だと伝えられているかしらと ときどき不安になるけれど あなたの笑顔を見ていると 愛...
ベビーカーを畳まなくても罪悪感を持たなくていい世の中であってほしい... 私が赤ちゃんを育てて、はじめて気がついたこと。 子供はとても「重い」そして「暑い」。 それまで道行くお母さんたちは、小さな赤ちゃんを 軽々とおんぶしたり、片手で抱っこしたりしているように見えていました。 母親って強...
授乳中のママは幸せであるという妄想... 授乳は、苦痛でした。 子供二人、完全母乳で育てましたけど。 今だから、言えます。 誰に人格欠落者だと思われてもいい。言ってしまいます。 おっぱいをあげている母親は 幸せに包まれているイメージがあ...
離乳食バトル 日々の生活のnoriさまが、 息子さんの食べ散らかしとバトル中、っていう記事を 読みまして、そういえばそんな長い時期もあったなぁ、 と、遠い目で思い出してしまいました。 私はもともと、毎食の調理はしたくない派なのですが...
大切な人を助けるということ 先日、道端で、友人にばったりと会いました。 この友人、けっこう気は合うのですが、 生活範囲と、子供の年齢が微妙に違うので、 なんだかんだで顔を合わせるのは、半年ぶりくらいです。 いっぱい話したいことが溜まってるの、 ...

♪ Pick up items ♪ スポンサードリンク
持ち手付き財布 IH ご飯土鍋 フィルムミラー 北欧紅茶
すこやかふりかけ エーラベルカレー 焼肉のたれ 鴻巣ラーメン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です