子供が眠ると自転車の重心が変わる
電動自転車で三人乗りをしなくなってから、ずいぶん
経ちましたが、自転車でどこかに出かけたときは、帰り道、
ちび兄弟は前後の座席で、ほぼもれなく眠っていました。
遊び疲れて、だいたい限界。
母親の私の方の気力・体力も限界だったり。
自転車の上で、よくしゃべるのは、ちび兄の方。
その声が、だんだん聞こえなくなります。
ヘルメットをかぶった頭をぐらぐらさせて、座席のいろんな
ところにごんごんぶつけたりしているうちに、ふっと
自転車の重心が変わる瞬間が来て、静かになるんです。
あ、寝たな、と気づきます。
いいよなー、君たちは眠っている間におうちに帰れて、
なんて思います。
家の駐輪スペースに、自転車を停めて、前後の座席で
斜めになって、ぐーぐー眠っている二人の顔をしばし眺めます。
ふー、っと一息。
玄関のドアの鍵を開けて、重い重いとつぶやきながら
一人ずつ抱っこで家に運び入れ、私もごろんと
横になったものでした。
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