おおきくなって、ちいさくなったら
保育園の帰り道、年中のちび弟が、自転車の前座席で
こんなことを言いました。
もし、オレがおおきくなって、おかあさんがちいさくなったら
じてんしゃのまえに、のせてあげてもいいけど?
ころんでも、おこらないでね。
まだ、オレ、さんりんしゃしかのったことないからね。
本当?じゃあ、あっぽ(抱っこ)して載せてくれる?
いいけど?
それから、オレがおおきくなって、おかあさんがちいさくなったら
おうちのカギは、オレがいつもあけてあげるけど?
ありがとう。じゃあ、お母さんが鍵を開けてみたいときは
あっぽしてくれる?
いいけど?いつもあっぽしてあげるけど?
それから、オレがおおきくなって、おかあさんがちいさくなったら
いつもおかあさんがしてくれてるみたいに、
ジュースとか、ついであげてもいいけど?
ありがとう。じゃあ、ジュースこぼしちゃって、
えーんえーん、って泣いちゃったら?
おこんないで、ふいてあげてもいいけど?
怒らないの?
おこんないであげるけど?
*****
なんで全部、疑問形?と最初は笑いながら聞いていたのに、
だんだん、自分が小っちゃい子になったみたいで、
優しく抱っこされてるみたいで、いいこいいこされてるみたいで、
涙がぼろぼろ出てきてしまいました。
自転車が、家に着いちゃったから、
急いで涙をぬぐいました。
泣いちゃったのは、ナイショ、ないしょ。
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